
ご挨拶が遅くなりましたが、昨年は、大変お世話になりました。たくさんの応援やはげましや、笑顔や、思いのこもったたくさんの言葉を、本当にありがとうございました。
私にとってとても嬉しく、忘れられない一年になりました。
そして昨年末、とても幸せな出会いがありました。
国立のとあるカフェで、出会った一台のアップライトピアノ。
オーナーさんが、生まれたときから何十年も、大事に一緒に過ごしてこられたというピアノを弾かせていただいたのです。
お店の片隅に佇んでいるそのピアノは、
きっとオーナーさんと、静かにあたたかな対話を続けてきたのだろう、ということが、
その前に座っただけで伝わってきました。
ピアノの伝えてくるものを無視して私がなにかを弾こうとするのは、違うという感じがしました。
ピアノが放つ、そのあたたかさ、深い音色に耳を澄ませて、
語りかけてくることにこたえる、そして私も、これでいいの?と問いかける。
そんな感覚で私の指が選択しようとする音は、普段とは少し違う、低く、ゆっくりで、あたたかな音でした。
きっと、さまざまな人々の語らいや笑顔の時間を静かに見つめてきたピアノ。きっといつも、たくさんの人の大切な時間のそばにいたピアノ。そんな積み重ねられたかけがえのない歴史を見させていただいているような、幸福な時間。
私にとってとても嬉しく、忘れられない一年になりました。
国立のとあるカフェで、出会った一台のアップライトピアノ。
オーナーさんが、生まれたときから何十年も、大事に一緒に過ごしてこられたというピアノを弾かせていただいたのです。
きっとオーナーさんと、静かにあたたかな対話を続けてきたのだろう、ということが、
その前に座っただけで伝わってきました。
それほどにピアノがなにかを語りかけてくるような感じを覚えたのは、はじめてのことでした。
語りかけてくることにこたえる、そして私も、これでいいの?と問いかける。
そんな感覚で私の指が選択しようとする音は、普段とは少し違う、低く、ゆっくりで、あたたかな音でした。
心の耳を研ぎすませて。

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